BAKE INC.(以下、「BAKE」)は、新ブランド「caica」をローンチすることとなりました。
BAKEの ”はじめて” が詰まったブランド、caica。
今回のTHE BAKE MAGAZINEでは、caicaのプロジェクトマネージャー 馬屋原、クリエイティブ担当 五味渕、開発担当 伊藤の3名に話を聞きました。
はじめて その1「正式ローンチ前にテスト販売」
― 新ブランド「caica」について教えてください。
馬屋原:ブランドのコンセプトは「Nutsの美味しさが開花する」です。
ひと口に「ナッツ」と言っても、アーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ピーカンナッツなど、いろんなナッツがあります。それぞれ、味も食感も違って、ゆたかな個性があるんですよね。それらの美味しさを引き出して、組み合わせて、より美味しく感じていただけたり、新しい美味しさも感じていただける、さらにお客さまの毎日に花のような彩りを届けられるブランドを目指しています。
― どのようにブランドづくりが進んでいったのですか?
馬屋原:最初から「ナッツを使ったお菓子をつくりたい」ということは決まっていました。
「ナッツから連想するものはなんだろう」とたくさん話し合って出てきたのが、「芽が出て、花が咲く」や「開花」というキーワードでした。芽が出るとか、花が咲くって、すごくパワーとかエネルギーを感じるなって思うんです。「『開花』をブランド名にして、そういった生命力やエネルギッシュさみたいなものを表現して伝えていこう!」と方向性が固まっていきました。
ちょうどcaicaのブランドづくりを進めていたのが、時期的にコロナウィルスが落ち着いてきていた頃だったこともあって「コロナ禍で疲弊した世の中を活気づけたいよね!」とみんなで話していましたね。
― caicaでは、正式ローンチ前に、BAKE初の試みとして商品のテスト販売を実施しましたよね。どういった狙いがあったのでしょうか。
馬屋原:はい。昨年12月の東京駅からスタートし、2月までに池袋・銀座・横浜・広島と4箇所でPOPUPを出店してきました。「狙い」というよりは、しっかりお客さまの声を伺ったうえで正式にブランドとして発表したかったんです。
BAKEでは既存ブランドを伸ばす施策を行う一方、常に新ブランドの開発も進めています。
ここ1、2年、ブランド開発を進めるなかで、たびたび「これまでのブランドづくりを進化させたい」という話が出ていたんです。
これまでのBAKEは、自分たちが良いと思うものをつくり、届けるというスタイルだったかなと思います。でも、お菓子の業界ってトレンドの移り変わりが激しいので、この先長く愛されるブランドをつくるには「いま、世の中から求められるお菓子をつくる」ことも必要だよね、と。
そこで、caicaでは各地で開催したPOPUPを通してお客さまからいただく反応やご意見を見て、正式なブランドとしてローンチさせるかを判断することにしたんです。
― なるほど。POPUP実施時のお客さまからのご意見にはどんなものがありましたか?
馬屋原:一番目立ったのが「パッケージがかわいい!」というお声でしたね。
POPUPの販売スタッフたちは、パッケージに使っている柄のスカーフを頭と身体に巻いていたのですが「そのスカーフは販売していないのですか?」と聞かれることもあったり。 ※残念ながら非売品です。
POPUPでは「フロランショコラサンド」という商品のみの販売だったのですが、テスト販売のお知らせを出した直後から「美味しそう!」というお声、POPUPが始まると「ザクザク食感で美味しい!」「チョコレートの甘さで口が幸せ…」「通年販売してほしい!」などのお声をたくさんいただくことができて、自分たちの商品に自信を持つことができました。
正式ローンチ後には、ご好評いただいた「フロランショコラサンド」に加えて「ショコラブラウンケーキ」も販売します。商品については、開発担当の伊藤さんに詳しくご説明していただこうと思います!
はじめて その2「パッケージにイラストを採用」
― それではここからはクリエイティブを担当した五味渕さんにも入っていただき、デザインにも触れつつ、caicaの魅力を深堀りしていきたいと思います。お客さまからも同様の声が多かったようですが、caicaのパッケージを一目見たときからとてもかわいいなと思っていました!どんな想いを込めて制作されたのか教えてください。
五味渕:ありがとうございます!
パッケージデザインは、ブランドコンセプトの「Nutsの美味しさが開花する」を表現するため、ナッツの種から咲いた花をモチーフに作成しました。
ブランドのメインフラワーとしている赤い花は、フロランタンで使用しているアーモンドの花です。
イラストレーターさんに「エネルギッシュで生命力あふれるイメージを、やわらかでのびのあるラインで表現したい」と希望を伝え、描いてもらっています。
ブランドのメインプロダクトのパッケージにイラストを使うというのもBAKEとして初めての試み、チャレンジでした。
これまでのBAKEのブランドのデザインって、シックだったりシンプルだったり、洗練されたイメージが強かったと思うのですが、caicaでは箱を見た瞬間に、自由でのびのびとした気分や、パッと心が晴れるような気持ちになってもらいたいなと思い、それには「シンプルなデザインよりも一瞬で想いが伝わるイラストだ!」と思ったんです。
前面や側面に利用しているチェックの柄を「caicaらしさ」を表現するモチーフにしています。ナッツを収穫するためのカゴをイメージしてデザインしました。
― ナッツというと「栄養がたっぷり」とか「健康や美容にいい」というイメージがあって、色でいうと緑や茶色のような落ち着いた色が連想されますが、caicaはそれとは違った打ち出し方をしているのがおもしろいですよね。
五味渕:そうですね。BAKEではブランドごとにトーン&マナーを決めているのですが、caicaのトンマナは落ち着いた感じとは真逆で「Life Fun + Free mind + Charming」としています。人物像であらわすと、ひと目を気にせず自分の個性を楽しむ、エネルギッシュでチャーミングな人。
馬屋原:裏テーマとして、アフリカの元気な女性をイメージしているんだよね。
五味渕:そう!なので、キービジュアルも「アフリカの豊かな大地で育ったナッツ」を、赤土を使って表現しています。
生命力や素材を活かしたブランドであることを表現するために木や石を使い、考え抜かれた商品の味わいをイメージしてもらえるように緊張感あるバランスのレイアウトにしてみました。
ナッツの美味しさを最大限に活かした「進化系フロランタン」
― ではここからは商品開発担当の伊藤さんにも入っていただき、商品の特徴について伺いたいと思います。caicaは現在プロダクトが2つあるんですよね。
馬屋原:はい、これまでのPOPUPの期間は「フロランショコラサンド」という商品を販売していました。加えて、今月22日からは「ショコラブラウンケーキ」も販売します。
― 「フロランショコラサンド」はどういった商品ですか?
伊藤:「3層になった進化系フロランタン」と呼んでいます。
まず、3層の一番下のクッキー生地が「シュトロイゼルクッキー」です。
― シュトロイゼル・・・どんなクッキーですか?
伊藤:普段あまり耳にしないかもしれないですね!
ドイツ起源のお菓子の製法で、小麦粉・バター・砂糖などを混ぜた、サクサク食感のソボロ状の焼き菓子のことです。「フロランショコラサンド」では、バターとココアパウダーの入った生地に、さらにコクのある「カソナード」というフランス原産の砂糖を配合しています。この砂糖はバターとの相性がすごくいいんです!
一番上の層はアーモンドスライスとアーモンドダイスの入った、キャラメリゼしたアーモンドチュイルです。ザクザクした食感を楽しんでいただけるのと、キャラメルとナッツの香ばしさを感じていただけます。
この「シュトロイゼル」と「アーモンドチュイル」の2つで、ヘーゼルナッツの入った「ジャンドゥーヤ」というチョコレートをサンドしています。ザクザク・パリパリ食感の、ナッツの香りやアーモンド風味を楽しめるリッチなフロランタンになったと思います!
馬屋原:「シュトロイゼル」とか「ジャンドゥーヤ」とか、聞き慣れないお菓子や素材の名称が多いと思うのですが、あえて説明文に盛り込んだんです。お客さまと販売スタッフとのコミュニケーションのきっかけになればいいなと思っています!
ナッツの魅力を際立たせるしっとり食感の「華やか濃厚ブラウニー」
― もうひとつの商品が「ショコラブラウンケーキ」ですね。こちらの商品についても教えてください。
伊藤:こちらは、いわゆるチョコブラウニーです。先ほどのフロランタンとは対照的に、しっとり食感を意識して作った商品です。ブラウニーの部分はバターとアーモンドパウダーを使いしっとりさせつつ、チョコチップも入っているので食感も楽しんでいただけます。
馬屋原:この商品はしっとり食感を出すのに、何度も試作を繰り返しましたよね。「しっとりさせたいけど、重くはさせたくないんです!」とか、、たくさんリクエストしちゃいました。。
伊藤:そうですね!たくさんリクエストをいただきました(笑)
どんな原料を使えば自分たちの求める、ナッツの食感も際立つようなしっとり感が出せるかなと、北海道工場の開発担当と一緒に思考錯誤を重ねました。
そして、もう一つ挑戦したのが、商品で「開花」を表現することでした。
ブランドパーソナリティーの「エネルギッシュ」「チャーミング」「自分の個性を楽しむ」といった部分や、種から開花する様子を表現するために、華やかなブーケのような香りのするダークチョコを使い、ピーカンナッツとピスタチオをトッピングすることで、色鮮やかなブーケのような、お花畑のような見た目を意識しました。
見た目でも香りでも「開花」を表現した、チョコとナッツの魅力を際立たせるショコラブラウニーになったと思います!
― 最後に馬屋原さんから、一言お願いします!
馬屋原:テスト販売を経て、たくさんの温かいお声をいただき、正式ローンチができることになってとても嬉しく思っています。
今後やりたいと思っているのは、お客さまにお気に入りのナッツを投票していただき、上位にランキングしたナッツを使って商品を作ることです。お客さまのお声をたくさん聞かせていただき、ブランドに反映していきたいです。ぜひお菓子の見た目や味、パッケージについての感想をSNSなどで伝えていただけたら嬉しいです!全部見に行きます!!(笑)
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ブランドサイト https://caica-nuts.com/
Instagram https://www.instagram.com/caica_nuts/
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Text by 久保田 由美